2026年4月1日、離婚後の共同親権を選択できる新しい制度がスタートしました。
これまで離婚後は父母のどちらか一方を親権者とする仕組みでしたが、現在は個々の事情に応じて、父母双方を親権者とする「共同親権」と、一方のみを親権者とする「単独親権」のいずれかを定めることができます。
制度開始から約半年。
離婚を考えているご家庭からすると、「共同親権にするか、単独親権にするか」という言葉だけが気になってしまうかもしれません。
しかし、本当に大切なのは制度の名称だけではありません。
離婚前から、子どもが実際にどのような生活を送っているのかを冷静に把握しておくことも重要です。
共同親権になっても生活を半分ずつにするわけではない
「共同親権=交代で子育て」ではない
共同親権と聞くと、
「子どもが父親と母親の家を半分ずつ行き来するの?」
とイメージする方もいるかもしれません。
しかし、父母双方が親権者となったからといって、必ず交代で子どもを監護養育しなければならないわけではありません。また、子どもに関するすべての事項を常に二人で決めなければならないわけでもありません。
一方で、転居や進路に影響する進学先、重大な医療行為など、重要な事項については共同での判断が問題になる場合があります。
だからこそ離婚を考える段階では、「親権をどちらが取るか」だけではなく、その子が現在どのような環境で生活しているのかを整理しておく必要があります。

子どもの“普段の生活”を整理してみる
日常的に誰が何をしているのか
離婚の話になると、夫婦それぞれが自分の立場から物事を考えてしまいがちです。
しかし、子どもの視点で考えると重要なのは日々の生活です。
誰が学校や保育園への送迎をしているのか。
病気になったときは誰が対応しているのか。
食事や入浴、宿題、通院、習い事などを普段誰が支えているのか。
休日はどのように過ごしているのか。
子どもが現在どのような環境で落ち着いて生活できているのか。
こうした日常の積み重ねは、夫婦間で認識が大きく違っていることもあります。
家庭裁判所が親権者を定める場合も、一律に共同親権・単独親権のどちらかを優先するのではなく、父母と子どもの関係など様々な事情を踏まえ、子どもの利益の観点から判断するとされています。
そのため、「自分の方が親として正しい」と主張するだけではなく、まず実際の生活状況を冷静に整理することが大切です。

相手の生活実態が分からないケースもある
推測ではなく事実を確認するという考え方
離婚相談の中には、
「仕事と言ってほとんど家にいない」
「子どもを任せている時間に何をしているか分からない」
「別居後の生活環境がよく分からない」
「子どもを預けた後、実際には誰が世話をしているのか気になる」
といった不安が出てくることもあります。
もちろん、気になるからといって相手の行動すべてを調べる必要があるわけではありません。
まして、親権を有利にするために無理に問題点を探すような調査をするべきでもありません。
一方で、子どもの安全や生活環境について具体的な不安があり、話し合いだけでは事実が分からない場合には、行動状況などを確認する方法もあります。
重要なのは、相手を攻撃する材料を探すことではなく、子どもの生活に関係する事実を客観的に把握することです。
離婚を決めてから慌てて証拠を探さないために
普段から記録を残しておくことも大切
子どもの生活について確認する方法は、探偵による調査だけではありません。
学校や保育園への送迎、通院、行事への参加、日々の育児状況など、自分自身が日常的に行っていることについて記録を残しておくことも一つの方法です。
離婚や親権について具体的な争いがある場合には、早い段階で弁護士などの専門家へ相談し、「何を確認し、何を記録しておくべきなのか」を整理することも重要です。
「親権を争いたいから、とにかく相手を調べたい」ということではなく、
「別居後に、子どもがどのような環境で過ごしているのか分からない」
「離婚について話し合う前に、まず事実関係を整理したい」
という段階でも構いません。
共同親権制度が始まった今だからこそ、父親か母親かという対立だけで考えるのではなく、子どもにとって現在どのような生活環境があるのかを客観的に確認することが、より重要になっているのではないでしょうか。

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