重婚罪は漢字の意味を読み取って、「二重結婚の罪」だと何となく分かるでしょう。

これを聞いて「二重結婚が罪に問われるの?」と、疑問を感じた方も多いのでは?

でも、二重結婚には不倫以上に、深い問題が隠れているんですよ。

・重婚=複数の異性と婚姻すること(役所で婚姻届を出すこと)

・重婚罪の理由⇒日本は一夫一婦制を重視する国だから

簡単に言ってしまうと、重婚で大きなポイントとなるのは「二重に婚姻届を提出しているかどうか」です。

では、重婚罪がどういうものなのか、重婚罪にどんな理由があるのか、説明しましょう。

重婚とは一体?そもそも日本で重婚は不可能なのでは?

重婚罪の理由の前に、まずは重婚がどういうものかが重要ですよね。

法律で重婚罪が決められていても、重婚する人がいるのかも気になりませんか。

周りで「あの人が不倫した。」と言う話はよく聞いても、「あの人が重婚している!」と言う話はほとんど聞かないでしょうから。

では、重婚とは一体何か、そもそも日本で重婚ができるのか、見ていきましょう。

重婚=複数の異性と婚姻すること

重婚罪の「重婚」は文字通り、複数の婚姻関係を結ぶことです。

法律上の婚姻関係は口約束ではなく、役所で婚姻届を提出して成立するものです。

つまり、婚姻届を提出していない結婚、例えば

・内縁関係

・不倫

などは重婚に当たりません。

もちろん、本人同士の関係そのものは、婚姻届の有無に関係なく大切なものですよね。

婚姻届は役所で出すものだから重婚はごく稀

複数の異性と婚姻届を提出すること、つまり重婚罪って現実的にあり得るのでしょうか。

役所に婚姻届を提出する時に、婚姻届と一緒に

・戸籍謄本or戸籍抄本(夫婦両方の本籍地がある役所での提出なら不要)

・転出届(新住所に変更する場合)

・保護者の同意書(未成年者のみ)

などの書類も提出しますよね。

特に戸籍謄本や戸籍抄本には、過去の婚姻歴・離婚歴も載っています。

これをチェックすれば誰でもすぐに、重婚になるかならないかが分かるはずです。

とは言っても、世の中には何があるか分からないもので、

・役所側の確認ミス

・書類の誤りや偽造

などのようなことがあったら、重婚も十分にあり得ますよね。

ごく稀なこととは言え、書類関係は

・更新した時

・受け取った時

・必要な時

などに、自分の目で念入りにチェックすることをお勧めします。

なぜ重婚罪が存在するの?重婚罪に理由はあるの?

法律の重婚罪に関する記載は刑法あって、2年以下の懲役が刑罰になっています。

「重婚罪に当たる人って少ないのに、わざわざ記載する必要あるの?」なんて思いませんか。

他の罪と絡めて記載しても良いはずなのに、特別な罪であるかのように「重婚罪」と記載されているんです。

わざわざ重婚罪を記載しているのは、

・日本は一夫一婦制を大事にする国

・国際結婚に重婚があり得る

などの理由からでしょう。

では、重婚罪の理由について、詳しく説明しましょう。

日本は一夫一婦制を大事にする国

誰もが当たり前のように思っているように、日本は一夫一婦制を大事にする国です。

結婚の中でも特に公で認められた婚姻届は、非常に重要な意味を持ちます。

「法律で重婚をスルーしてしまったら、大切な倫理感を守ることができないかも!」

と言う訳で、念には念を入れて、法律で重婚罪を記載したのでしょう。

日本が一夫一婦制を大事にする国であることを、再確認する意味が込められているのでしょうね。

国際結婚に重婚があり得る

一夫一婦制は日本で育って、日本で日本人同士で結婚するのであれば当たり前。

でも、世界には重婚の認められている国もありますし、重婚OKの国の人と結婚したらどうなるのでしょうか。

実は、重婚に関してはどちらかの国だけではなく、両方の国の法律に照らし合わせて考えなければいけないんです。

つまり、重婚OKの国の人、重婚NGの国の人が結婚する場合、重婚は認められないことになります。

重婚OKの国の人でも重婚しなければ、どちらの国の法律もクリアできますよね。

婚姻届なしの結婚生活でも注意が必要!具体的な注意点は?

「婚姻届を出さずに結婚生活をしていれば、法律に触れずに済むから気楽。」なんて思っている方もいます。

でも、婚姻届は結婚したことの証明になりますし、証明のない結婚生活も大変そうだと思いませんか。

・婚姻届なしなら何人とでも結婚生活できる

・結婚生活における責任が曖昧になる可能性がある

安定した結婚生活を送りたくても、毎日のようにこんなことに冷や冷やして生活しないといけませんよね。

では、婚姻届なしの結婚生活の注意点について、具体的に見ていきましょう。

婚姻届なしなら何人とでも結婚生活できる

婚姻届なしの結婚生活でまず注意すべき点と言えば、「婚姻届なしなら何人とでも結婚生活できること」です。

・婚姻届を出さない結婚を何度も繰り返す

・婚姻届を出した既婚者なのに大変別の異性と婚姻届なしの結婚をする

こういう可能性もあって、シンプルなはずの結婚が複雑になってしまうことも!

相手を信じたい気持ちは分かりますが、婚姻届を出すか出さないかは慎重に判断した方が良いですよ。

結婚生活における責任が曖昧になる可能性がある

婚姻届なしの結婚生活でまず注意すべき点と言えば、「結婚生活における責任が曖昧になる可能性があること」も挙げられます。

・親権はどうするか

・生活費はどうするか

・育児や家事の分担はどうするか

本人同士がそれで良いと言ってしまえば、もちろんそれまでです。

でも、仕事・育児・家事のあらゆる負担が夫婦のどちらかに行って、もう一人が居候のようになっているケースもあるんです。

婚姻届なしの結婚生活を上手く利用して、ズルい生き方をする人がいるかも知れないことも忘れてはいけませんよ。

まとめ

重婚罪がどういうものなのか、重婚罪にどんな理由があるのか、まとめてみました。

・重婚=複数の異性と婚姻すること(役所で婚姻届を出すこと)

・重婚罪の理由⇒日本は一夫一婦制を重視する国だから

重婚罪に日本ならではの強い倫理観が込められているものの、婚姻届なしの結婚生活は複数回あっても違法行為になりません。

なので、婚姻届なしの結婚生活を送っている方、希望している方は、次のような点に注意した方が良いです。

・婚姻届なしなら何人とでも結婚生活できる(結婚が複雑化する可能性)

・結婚生活における責任が曖昧になる可能性がある(相手が居候になる可能性)

結婚に安定を求めているなら、婚姻届なしの結婚生活はもう少し慎重に考えた方が良いかも知れませんね。